閲覧者によるオンラインビデオコンテンツへのアノテーションとその応用
概要
本論文では、オンラインビデオアノテーションシステムiVAS(intelligent Video Annotation Server)を開発した。本システムでは、閲覧者がインターネット上に存在する任意のビデオコンテンツに対してアノテーション(メタデータ)を関連付ける事ができる。本システムはカット検出情報や色ヒストグラムを得るために動画像解析を行う。そしてまた、自動的にアノテーション編集ウェブページが生成される。閲覧者は二つの方式でアノテーションを行う事ができる。一つ目は閲覧者によって、人やオブジェクトの名前や状況説明や感想を対話的にアノテーションする方式であり、二つ目は、マウスのボタンをクリックするという簡便なインタフェースで、閲覧者の主観的な印象を任意のビデオのシーンに対して関連付ける方式である。生成されたアノテーション情報はiVASに接続されたXMLデータによって蓄積・管理される。また、アノテーションに基づく応用として、ビデオ検索、ビデオ簡約、ビデオコンテンツコミュニティ支援に関するシステムを構築した。我々のアプローチの主要な利点の一つは、人手によるアノテーションと自動的に生成されるアノテーション(色ヒストグラムやカット情報など)とを簡単に統合できる点にある。また、不特定多数の閲覧者からアノテーションされる事が期待されるために、アノテーションデータの信頼性や正確さを考える必要がある。そこで、閲覧者のフィードバックを元にしたアノテーションの信頼性の機械的な評価手段を提案した。将来、これらの基盤的技術がビデオコンテンツによって生成される新しいコミュニティの形成に貢献できればと考えている。