長尾研究室プロジェクト紹介
Research Projects of Nagao Lab.
個人用知的移動体プロジェクト
個人用知的移動体は、搭乗者である人間や、周囲の物理的環境に適応することで、搭乗者を支援する知的な乗り物です。
情報化社会の到来により、さまざまな情報サービスが提供されるようになってきています。近い未来、人が意識することなく身近に情報端末が存在する環境が実現すると思われます。その一つが、人が情報端末を持ち歩くという発想ではなく、情報環境が人と共に移動するというスタイルです。
個人用知的移動体の研究テーマは、安全で効率的な自動走行、3次元地図の自動生成とその利用、直感的な操縦インタフェース、複数の移動体間の連携・協調などがあります。特に、安全な自動走行のために、自律移動ロボットを用いて、事故の危険性の高いエリアを事前に探査させる仕組みに特徴があります。
ディスカッションマイニングプロジェクト
ディスカッションマイニングは、人間同士の知識交換の場であるミーティングにおける活動を記録し、そこから再利用可能な知識を発見するための技術です。
音声や映像を含む議事録を半自動的に生成・構造化して、検索や要約を行う仕組みを実現しています。私たちは、そのために新しいミーティング環境を考案しました。本研究で作成されたマルチメディア議事録はここで公開しています。
さらに、質の高い知識の発見を目指して、ミーティングの参加者のプレゼンテーションスキルや議論スキルを向上される仕組みについても研究しています。これは、ゲーミフィケーションと呼ばれる、複数の参加者が共通の問題に意欲的に取り組むための方法論に基づいています。
コンテンツアノテーションプロジェクト
マルチメディアを含むWebコンテンツに対するメタ情報(アノテーション)の作成支援とそれに基づくコンテンツの検索・要約・再利用などに関する研究です。
インターネットの発展に伴って、マルチメディアを含むさまざまなコンテンツの流通はますます活発になっており、その再利用に関する技術は、現在のWeb検索エンジンと同等あるいはそれ以上に重要なものになると思われます。
特に、マルチメディアアノテーションに関して、私たちはすでに多くの成果を挙げています。その一つが、ビデオシーンアノテーションです。この成果はここで公開しています。
さらに、文書作成中に、ビデオシーンを含むさまざまなコンテンツ(の部分要素)を引用できるようにし、その文書がオンラインで公開されると、引用されたコンテンツに対するアノテーションが自動的に生成される仕組みについても研究しています。
自然言語処理プロジェクト
自然言語処理とは、計算機が(日本語や英語などの)言語を「理解」「解析」「生成」「要約」「分類」「抽出」「換言」「翻訳」する技術の総称です。
Webや会話など、私たちの生活は膨大の言語情報に囲まれています。その多くは有用で、また貴重な情報であるにも関わらず、十分には活用されていません。知的活動のさまざまな場面でこれらをうまく利用できれば、私たちの生活はもっとハッピーで価値あるものになるでしょう。
自然言語処理プロジェクトでは、論文の執筆やゼミでの議論などの研究活動を、効果的に進めるための知的支援環境の実現を目指しています。具体的には、「論文執筆支援のための用例の検索・提示」「発言履歴を用いた参加者への適応的な情報提示」などをテーマに掲げています。